プロパティマネジメントと従来の賃貸管理の違い
プロパティマネジメントと従来の賃貸管理
プロパティマネジメントは従来の賃貸管理とどう違うのでしょうか。管理という点では、基本的に行っている業務は表面上ほぼ変わりません。
しかし、日本の賃貸業は「仲介業」から発展してきた経緯があるため、「賃貸管理」業務をしていても主な収益が「仲介手数料」である会社は多くあります。仲介料はあくまで入居者からもらう収益である一方、「管理料」はオーナーさまからいただくもの。
「仲介」と「管理」はその立場が違うのです。
例えば「解約」に関して、仲介の立場から見れば、再度仲介手数料を稼ぐことができるのですから、積極的に解約を抑止しようという意識は起こりにくくなります。しかし、プロパティマネジメントの立場から見ると、解約が多ければ多いほど空室期間が発生し、さらに原状回復に掛かる費用もかさむので、損失は大きくなります。解約の抑止は、英語では「テナント・リテンション(Tenant Retention)」といい、プロパティマネジメントが確立しているアメリカにおいては、大変重要視されています。解約を少なくすることはオーナーさまの利益増に直結しますので、プロパティマネジメントでは、常に「どうすれば入居者にもっと長く住んでもらえるか」を考ええることになります。 この点が、仲介業から発展した日本の賃貸管理とプロパティマネジメントの大きな違いといえます。(不動産先進国のアメリカでは、そもそも居住系においては、「仲介手数料」を入居者からもらう習慣はありません。)
「マネジメント」の意味
現在の「賃貸管理会社」の一般的な業務内容を確認してみます。まず、入居者の募集、契約、家賃の集金、オーナーへの送金、クレーム処理、物件の掃除・点検、退去の立ち会い。そういった業務が「管理」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
しかし、「プロパティマネジメント」では「オーナーさまの利益を最大化する」ための業務が必要です。
少しでも高い家賃で契約を決め、空室・解約を減らし、日常の運営コストを減らすことを常に意識した、管理・運営を行います。仲介の立場であれば、築年数が古く長期間空室が埋まらなければ家賃を下げる提案をしがちです。もちろんこの対策は即効性はありますが、長い目で見るとオーナーさまの手取り収入を下げてしまうことになります。
入居が決まって仲介手数料が入ったとしても、結果的にはオーナーさまの利益より管理会社の売上が優先されています。「マネジメント」の発想があれば、いかに他の物件に見劣りしないものにするか、募集の戦略や運営上の差別化についても検討を重ね、様々な手法で空室問題を解決することができるのです。
もちろん、「物件力」をあげるためには再投資も考えなければなりません。再投資額に見合う家賃を回収できれば、最終的な手取り賃料が下がることがないわけです。再投資に際してはローンを組む場合もあるためファイナンスの知識も必要となります。収益とローンの返済との関係、再投資の意味などといった「投資分析」のスキルも求められるのです。
再投資の規模は数万円の小規模な設備の交換から、数千万円の「資本的支出」、または数億円をかけての新築物件への建て替えまで多岐に渡ります。投資額の大小にかかわらず、オーナーさまの収益が現状より上がるビジョンが描けるかどうかがポイントで、どのケースもその本質は「プロパティマネジメント」になります。
「マネジメント」という言葉は、単純に日本語訳すると「管理」と訳されるかもしれませんが、これは正確ではありません。この「マネジメント(management)」には「経営」という意味が含まれます。
「プロパティマネジメント」は「収益物件の経営代行」と言い換えることができるでしょう。預かった物件の「経営」を任されているのがプロパティマネジメントであるので、利益を維持するだけでなく、成長させていかなねばなりません。家賃の下落や空室期間の長期化など、オーナーさまの利益は減少する事態が起こった時、他業界と同じように「情報収集、原因の追求、問題の解明、対策の実行」といった対応をするのが経営代行となります。対策の提案、すなわち改善提案をする、あるいはできるかどうかが、従来の「賃貸管理」と「プロパティマネジメント」の違いなのです
