他会社仲介店から薦めてもらえる関係作り
賃貸仲介会社に空室情報を扱っていただいても、入居希望者が来店された時に現場の営業マンに推薦してもらわなければ契約にはつながりません。入居希望者が「この物件を紹介してください」と指名するケースは少なく、ほとんどの場合、営業マンからの推薦によって入居者が決まります。数ある空室の中から物件を薦めてもらえるかどうかが客付けのポイントとなります。賃貸物件が余っている昨今、どの物件を入居希望者に紹介するかは仲介会社の営業マン次第なので、自社の物件を薦めてもらえるような関係作りが重要となるのです。
新規入居者の数はおおむね次の式で表されるようになります。
入居者数 = 案内数 × 歩留率
該当の物件に何人の案内があったかという案内数に、成約率を表す歩留率を掛けた数字が成約数となります。つまり案内数を増やしながら、歩留率を上げることが成約数を上げることにつながるのです。
空室が埋まらない場合、多くのケースで案内数そのものが少ないという実態があります。リフォームをしても設備を改善しても空室が埋まらないのはこのためです。空室を埋めるには、まず案内数を増やすことが必須です。(業界の歩留率は一般的に20%前後と言われています。5件中1件決まる計算になりますが、入居が決まらない部屋はこの案内がなされていない可能性があります。逆に5件案内していても決まらない部屋はその部屋自体になにか問題があると考えられます。その原因を究明し対策を講じる必要があるでしょう。)しかし、入居希望者が物件に案内されただけで成約につながるわけではなく、営業マンにおすすめ物件として推薦してもらうことも重要となります。これによって歩留率を高めることができるのです。
優秀な営業マンは物件紹介の段階から「どの物件に決めてもらうか」ということをあらかじめ考えた上で物件の紹介をします。ABCの3つの物件を紹介する場合、Aに決めてもらうことを前提としながら、比較対象としてBCの物件を紹介しているということです。Aが最も良い物件に見えるよう、Aより劣る他の物件を選び案内するのです。この時、Aが「決め物件」であり、Bは、「比較物件」、Cは「当て馬物件」と言われます。

案内数を増やすことはもちろんですが、いかに自分の物件を「決め物件」として紹介してもらえるかどうかが、歩留率を高める上で重要なポイントとなることがお分りいただけると思います。そしてそのためには、優秀な営業マンと良い人間関係を構築できるかどうかが重要なのです。そのためのに欠かせない対策として、当社では以下のようなことを行なっています。
1.入居促進費を支払う
営業マンの給料には歩合給(インセンティブ)が含まれますが、その歩合給を上げるためには売上を上げる必要があります。つまり、営業マンから推薦されるためには、入居促進費を支払うことが基本となります。成約しても売上にならない物件を紹介してもらえることはありえません。逆に少し入居促進費を高めに設定するだけで優先的に案内してくれるようになります。入居促進費が多く入る物件は、賃料が少々高めでも一生懸命紹介してくれるということです。入居促進費は空室を埋めるためには必須で、リフォームなどに多額な費用を掛けるよりも、入居促進費に資金を投下したほうが費用効果は高いといえます。

オーナーさまが支払う入居促進費の相場は、基本的には家賃の何ヶ月分という形で算出されます。人気のエリアの場合、これは家賃の1ヶ月分ということが多く、空室率の高いエリアは入居促進費も高くなります。この入居促進費は入居者を獲得するための必要コストと考えるべきです。需要が供給を上回っていた時代は入居促進費というものは存在しませんでしたが、空室が増えた現代では当たり前のものとなりつつあります。このコストを多めに支払うことで客付けが有利になります。空室期間のマイナスを考えると、その分を上乗せして支払ったとしてもメリットがあるといえます。
2.営業マンの手間を減らす
優先的に物件を紹介してもらうには、営業マンに手間をできる限り減らすことも大切です。賃貸仲介店の営業マンは忙しく、無駄な事に時間を費やすことを嫌います。入居者が決まりにくい物件には、いくら入居促進費が高くても案内しないでしょう。入居者が気に入るような、決まりやすい部屋を作ることが大切です。
また、契約の手続きが煩わしくないことも重要です。部屋の鍵を管理会社にわざわざ取りに行かなければならないような物件も敬遠されがちです。契約書もわかりやすくシンプルな文言のほうが好まれます。特殊な用語があれば、それをいちいち説明するのも手間になるからです。当然のことながら、営業マンは入居者からのクレームも非常に嫌がりますので、入居後のクレームに対する配慮も必要です。クレームが発生しないようにすることと、クレームが発生したときは速やかに対応することが求められます。
3.信頼関係を築く
部屋を推薦してもらうためには、「入居促進費を支払う」だけでは十分とは言えません。他のオーナーさまや管理会社も入居促進費を支払うケースがあるからです。入居促進費だけでなく、営業マンと良好な人間関係、信頼関係を築くことが必要なのです。営業活動であっても、実際に動くのは人と人ですので、日頃から円滑な関係を築き、維持するために気を配ることが重要です。
